2007.7(近現代編年資料)

東京大学史料編纂所
「大日本史料総合データベース」

887-1639年の日々についての
編年史料集のオンライン版。

(下の「データベース選択画面」 -> 左上から3つめの「大日本史料総合DB」)

cf.神代から887年に関しては6つの勅撰国史
(六国史 :『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』
『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』)参照


収められているのは
『史料総覧』 :887-1639年の日々の出来事とそれに触れている史料名を収録
         検索結果詳細上方「稿本」ボタンから「史料稿本」本文へ。
『大日本史料』:『史料総覧』に史料本文を加えたもの(未完、刊行中)
         検索結果詳細上方「刊本」ボタンから『大日本史料』本文へ。
「史料稿本」 :「史料」の草稿

詳細の「和暦年月日」の後のかっこ内が西暦年月日
ex.正應1年1月4日(1288 0 01 0 04 0) ←西暦1288年1月4日)

検索対象欄にある「綱文」とは「見出し」のこと。
大体日々のイベント(事件・行事・地震・・・)が見出しになっています。

例えば、琵琶「玄上」で検索すると、
直接この楽器に触れている検索結果は7件。
日本への渡来については触れられていませんが、
(838(835-850)年等、『日本三代実録』の「伝説」化された記事・・・)
その後の紛失(1316年)発見(1319年)等に触れた史料の糸口や、
「説話」とのズレについて確認する糸口を得ることができます。

例えば、一般的に「地震」と検索すると
検索結果は887年から1771年まで925件。
887-1639年分に関しては史料の翻刻を確認することができます。

近代についての同様の
<編年資料編纂のための資料収集>の試み・・・

例えば、法政大学大原社会問題研究所
『社会・労働運動大年表』データベース

利用例:
東京オリンピックの頃に顕在化した
「4大公害病」について調べる

「イタイイタイ病」「水俣病」
「新潟水俣病」「四日市喘息」で検索すると、

時代をおって、その顕在化や
現在も続く様々な過程を辿ることができる・・・

cf.データベースについている
編年辞書「大原クロニカ」
イタイイタイ病, 水俣病, 新潟水俣病, 四日市喘息


大原のデータベースに
次の要素を加えれば・・・

1.日々の出来事(イベント・事件・地震等)に
  史料一覧(関係史料名,頁数等々)を付加。

cf.阪神大震災についてのミニコミ資料目録等は
  既に纏められている・・・

2.史料一覧から史料本文へのリンクを付加

埼玉大学社会共生センターの資料検索
(「資料・各巻キーワード」欄に
「イタイイタイ病」「水俣病」
「新潟水俣病」「四日市喘息」等入力)
等との接続(MashUp)等々から・・・



2004.2(googleの友達の輪「orkut」)

ホームページの「つながり」を検索に生かしたgoogleの、
ひとの「つながり」に関わる試験的サービス。

不特定多数の「出来事つながり」「物つながり」よりも、
まずいくぶん「人つながり」に重点を置いている感じ。

現状「ウェブログ」つながりのひとがとても多い。

つながっているひとの一覧と、
所属しているコミュニティの一覧、等々。

樹形図的なつながりから
網目のつながりにしていくつくり


ひとの「つながり」の
可視化や数値化が可能なシステム・・・

このサービスはどう使われて、
どう変わっていくか・・・

どう消えていくか・・・
どう広まっていくか・・・

cf.
「関心空間」
   (「つながり」に重点を置いた掲示板のひとつ・・・)
  「ウェブログ」
   (「つながり」に重点を置いた日記・・・)




2003.4(ヨセフス)

イエスの同時代のユダヤ人ヨセフスによるユダヤ人についての歴史資料(「ユダヤ戦記」「ユダヤ古代誌」・・・)の様々な利用。キリスト教徒による利用(イエスの時代と場所の情報源・・・)、20世紀ユダヤ教徒による利用(イスラエル国家建設、マサダの要塞・・・)。

コメント: 「遠い過去と遠い未来をつなげる」その2



2003.4(ヒカルの碁)

ヒカルの碁
少年ジャンプ 2003年22.23号(5月12.19日号)
原作 ほったゆみ
漫画 小畑健
監修 梅沢由香里五段(日本棋院)

第189局あなたに呼びかけている

p112
「なぜ碁を打つのか」
「答えははっきりオレの中にある」
「・・・・・・・・・・・・
 遠い過去と遠い未来をつなげるために」
「答えははっきりオレの中にある」
「負けてもそれはかわらない」
「そのためにオレはいるんだ」
「ただ負けたことが悔しい!」

p120 121
「ねェ さっき高永夏のヤツ何を言ったんです?」
「『遠い過去と遠い未来をつなげるのはおまえだけじゃない』
 『オレ達みんな そうだ』そう言ってたぜ」
「楊海さん」
「まァ 新藤君と違い秀策一人にこだわった言葉じゃないだろうが------」
「すべての先人を指して言ってるんですね」
「高永夏君からトップ棋士の自負を感じるなァ」
「ふんっ」
「青臭いガキのセリフさ」
「遠い過去と遠い未来をつなげる?
 そんなの今生きてるヤツ誰だってそうだろ」
「棋士も囲碁も関係ナシ
 国も何もかも関係ナシ」
「なぜ碁を打つのかもなぜ生きてるのかも一緒じゃないか」
「行こう新藤」
「これで終わりじゃない」
「終わりなどない」

p122 123
「遠い過去と」
「遠い未来をつなげるために」
「そのためにいるんだ オレは」
「オレ達は」
「誰もが」

p124 125
「誰もが」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・聞こえるのですか?」
「私の声が--------- 聞こえるのですか?」
(北斗杯編 終)

(コメント)
「遠い過去と遠い未来をつなげる」その1



2003.4(ニュース)

<イラク>専門家が加わっていた可能性も 国立博物館の略奪

 【バグダッド小倉孝保】バグダッドのイラク国立博物館で、メソポタミア文明の遺跡の発掘物など貴重な展示品十数万点が略奪されていたことが分かったが、本物と模造品を見分けて持ち出すなど、考古学に詳しい専門家が略奪に加わっていた可能性が浮上している。

 同博物館は、約5000年前にチグリス・ユーフラテス川流域に発達した古代四大文明の一つ「メソポタミア文明」の貴重な史料を数多く収蔵しているが、今回の略奪で壊滅的被害を受けた。

 博物館関係者が米ニューヨーク・タイムズ紙に語ったところによると、奪われたのは古代シュメール王朝時代(紀元前3360〜同2000年)の金の琴や首飾りなどの装飾品や、同王朝時代の古代都市の一つでイラク南部のウルで発見された女性の頭像など。

 同博物館には、バグダッド陥落直後、市内が無政府状態になった際、数千人が押し入ったといわれる。暴徒化した市民はガラスケースを割って展示品を持ち出した。さらに博物館内部の収蔵庫も荒らされたことが確認されている。

 藤井秀夫・国士舘大名誉教授(メソポタミア考古学)によると、同博物館はメソポタミア文化に関して、コレクションの整理や豊富さにおいて、アラブ諸国で随一、世界でも有数の存在だという。

 特にシュメール時代のウル第3王朝の王墓から出土した女王の冠やハープなどが、きわめて貴重な収蔵品として知られている。また、展示品以外ではアッシリア時代の宝石がちりばめられた金の王冠や腕輪などが収められている。 【窪田淳】(毎日新聞)
[4月14日11時30分更新]

コメント: 古典資料だけでなく、今まさに消えつつある多くの生の残した資料はどう消えつつあるか。あるいはどう残され使われているか。



2003.3.

ミニコミやビラ・チラシの収集・保管・公開

裁判をやると資料が残る。刊行物も定期的に出る。
そうでもないと残らない。

国会図書館への納本。
元々内務省が検閲で集めたものを帝国図書館に収納。

新聞雑誌で判るニュースと、
ミニコミなどでわかる日常の活動

ミニコミのマッピング。グループのマッピング。
色々やるグループ/専門的にやるグループ。
個人やグループのつながりを確認。
名簿やミニコミから全国の個人やグループのつながりをたどる。
これはどんなものか。
たどること自体が生み出していくもの。

資料の公開の問題。
例えば研究対象として面白く、かつ警察が見たい資料。
警察が見るから限定公開、等など。

ミニコミというよりもイベントが人をつなぐ。

調査や運動に語らされて自分を作る。サービスで話す。
人気のある現地住民、等など。

「自立した個人」からではなく「つながり」からの発想。「つながり」をたどる。

コメント:「自立した個人」が実体でないのと同じく「つながり」も当然実体ではなく、残っているのは「不完全な断片」としての資料。



おまけ(メディア史の中の校訂本)

■イニス
Innis, Harold Adams, 1894-1952
メディアの文明史
The bias of communication / Harold A. Innis
; introduction by Marshall McLuhan.
-- University of Toronto Press, 1951

■マクルーハン
McLuhan, Marshall, 1911-1980
グーテンベルクの銀河系
The Gutenberg galaxy
: the making of typographic man
/ Herbert Marshall Mcluhan ; : hbk, : pbk.
-- University of Toronto Press, 1962

■オング
Ong, Walter J., 1912-2003
声の文化と文字の文化
Orality and literacy
: the technologizing of the word
/ Walter J. Ong. -- Methuen, 1982.